ロシアのウクライナ侵攻により、リスク回避の動きが続いている。安全資産である金価格が上昇しており、再び2000ドルが視界に入りつつある。ただ、基軸通貨として流動性の高いドルを買う動きも見受けられるため、しばらくは乱高下が続いていきそう。先行き不透明感が払しょくされるまでは、リスク選好は控えておいた方が良いかもしれない。

ウクライナ情勢の緊迫化を受けて、原油価格は一時95.82ドルまで上昇した。ロシアがウクライナに侵攻すると、欧米諸国が経済制裁に踏み切る可能性があり、対抗措置としてロシアはガス供給を停止する可能性を指摘されていることも、原油価格の上昇に歯止めがかからない要因となっている。世界で原油需要が高まっている中、ウクライナ情勢はキーポイントの一つとなるだろう。

緊迫化するウクライナ情勢や世界的なエネルギー需要の増大や、OPECプラスでも追加増産を見送っていることにより、供給不足が懸念されていることも要因となっている。国家備蓄を放出するなどし価格抑制に動いているものの、産油国の増産が見込めず、在庫も限定的であることから、原油価格100ドルが視野に入っており、今しばらくは価格の上昇は続いていきそうだ。