ウクライナ情勢に一抹の不安感を残すマーケットだが、20日未明に発表されたFOMCによってドル買いに大きく傾いている。
FOMCでは、FFレートは相変わらず0.00-0.25%に維持されるものの、昨年12月から続いている毎月100億ドルずつのテーパリングが今回も決定され、国際買入れ額が月額400億ドルから350億ドルへ、連銀MBS買入れ額が350億ドルから300億ドルへとマーケットの事前予想どおりのテーパリングが決定された。
一部では、ウクライナ情勢の緊迫化懸念を受けてニューヨーク株式市場が動揺していることで、テーパリング中断の可能性を指摘する向きもあったが、FOMCの結果を受けて対ユーロ、対円などで幅広くドルが買われる結果となった。
FOMCでの主な要旨は以下のとおりである。
「経済の根底は十分に力強い。」「大半のメンバーが2015年初めに利上げを予想。」
「フォワードガイダンスから失業率6.5%を削除。」「フォワードガイダンスの変更。FOMCの政策方針の変更を示唆せず。」「労働市場の改善が進めば、一段と資産買い入れを縮小する可能性。」
今回よりイエレン氏が新議長となる新体制でのFOMCのこの結果は、これまでのバーナンキ議長時代から動きをスムーズに踏襲する形となり、トップ交代による不安は完全に払拭された。イエレン氏は副議長時代にハト派で知られており、当初、一部タカ派の理事らとの衝突が懸念されていた。
ただこれまで為替と株式市場との連動が継続していたが、今回のFOMC直後の反応では幅広くドル買いに傾く一方で、米株式市場のファーストインパクトは大きく売られていた。
これまでの上下の動きでの連動性が高かっただけに、今後、株式市場と為替市場のどちらに傾倒していくかがポイントとなってくるだろう。