13日未明に発表されたRBNZにおいて2.75%となる0.25%の利上げが発表された。先月もトルコ-リラ、南ア-ランドも利上げが行われたが、今回のニュージーランドとは若干意味合いが違うようだ。
トルコや南アは米国のテーパリングを意識した防衛策として通貨上昇を目的としたものであったが、今回のRBNZによる利上げは、好調な経済環境と物価上昇圧力を抑制する目的で行われ、あくまで内部事情によるものである。
RBNZでは利上げと同時に「現行の為替水準、長期的には持続不可能」、「政策金利、今後2年で2%上昇する見込み」、「景気拡大にかなりの勢いある」、「2015年の成長見通しを2.8%から3.2%に引き上げ」とコメントされている。
さらには「高い為替レートが貿易面での逆風に」ともコメントされ、一時は下値を手繰る展開となったが、市場の評価は明らかにトルコや南アと違い利上げが正当に評価され上昇に転じている。
しかし、利上げ→通貨上昇は通常の流れで、さらに通貨高が貿易面で逆風になるのは、輸出面で逆に輸入面では追い風となるのは当然のことである。それでも利上げに踏み切るRBNZにはある種のジレンマがあるということだろう。
ニュージーランドは、かつてより比較的金利操作を機動的に行う傾向が強いが、準先進国が自国の経済状況の好転により、利上げに転じたことは大きいインパクトとなる。
米国は来週18-19日にFOMCで金利の発表があり、さすがに金利は据え置かれるだろうが、利上げの準備段階といえるテーパリングの規模がマーケットの焦点となってくる。12月、1月同様に100億ドル規模のテーパリングが予想の中心となっているが、今回のFOMCは新議長となるイエレン女史のデビューとなるだけに、より一層の注意を払って見守りたい。