先週前半は、ウクライナ情勢でプーチン露大統領が「ウクライナ軍と親ロシア派武装集団の戦闘停止に全力を尽くす」と述べたことで、紛争の早期終結への期待が高まり、リスクオンの展開となったものの、週末にかけて、ウクライナ軍がロシア武装車両の一部を破壊したとの報道から、一気にリスクオフの展開へと移行。弱い米8月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値、コチャラコタ米ミネアポリス地区連銀総裁のハト派発言「FOMCが二大目標を達成するには時間がかかる」なども後押しし、週前半のドル円の堅調さも影をひそめる結果となった。
今週は、ウクライナ情勢や中東情勢に警戒しつつ、ジャクソンホール・シンポジウムでのイエレンFRB議長の講演に注目する展開となる。
21-23日にワイオミング州ジャクソンホールで開催される金融・経済シンポジウムでイエレンFRB議長が労働市場について講演を行うが、イエレンFRB議長は、「イエレン・ダッシュボード」で注視している9つの雇用関連指標がリセッション(景気後退)前の水準を回復するまで、利上げに踏み切らない、と明言している。
労働参加率、不完全雇用率、長期失業者の割合、などが依然としてリセッション前の水準を回復していないことで、イエレンFRB議長は、これまで通りに、労働市場の脆弱さに言及し、利上げ時期に関する明言はないと予想されている。サプライズがあるとすればポジティブな方向であろう。
ウクライナ、中東情勢の変化には引き続き細心の注意を配っておきたい。