先週25日11時ごろ、ニュージーランドRBNZから「為替水準は正当化されず持続不可能」、「持続不可能であることは為替介入の可能性の一つのファクター」、「RBNZ総裁は持続可能な為替レートを歓迎へ」とのコメントが出された。
これをきっかけとして、マーケットが足元で続く円売りの流れに対して一服感を求めていたことも手伝って、クロス円全般に下値を探った。
RBNZは、比較的頻繁に通貨高に懸念を表召してきたが、実際、介入も行ってきている。それよりもなぜこのタイミングでコメントを出したかということに疑問が残る。そもそも2.5%から数回にわたって3.5%まで利上げを繰り返した後に、通貨高に対して懸念表明するとは理解に苦しむ。米国が利上げに向かっているとはいえ、連続して利上げを繰り返せば、その通貨が買われる事は「自明の理」である。
キウイ(NZD)自体、対円を除く対主要通貨において高値圏で推移してわけではなく、対米ドルでは、むしろ弱含んで推移していたことから、ある程度、対円を意識したコメントであることがうかがえる。だとすれば前出した疑問も納得がいく。
そうなってくると介入を行う場合も対円で行われる可能性が高く、キウイ円は常に暴落の起爆剤を抱えることになりそうだ。スワップを狙って売買をする場合、キウイ円を選択するのであればある程度余裕を深く見てポジション取りをした方がよいだろう。資金に余裕を持たせるのであれば資金効率からみると他のクロス円を選択したほうが賢いかもしれない。