先週金曜日3日に発表された米雇用統計では、非農業部門雇用者数が24.8万人と市場予想の21.5万人を上回ったほか、前回値も14.2万人から18.0万人に上方修正された。加えて失業率も5.9%と2008年7月以来6%を下回った。
これを受けてマーケットは、米国の早期利上げ観測からドル買い一色になり、ドル円も110円を伺う動きとなった。一方で、クロス円はそろってさえない展開となっている。
この現象の要因は、ドル円の110円に対する抵抗の強さからきていると考えられる。
強い米雇用統計を受けて他のドルストレートでの米ドルの強さが際立ち、結果としてクロス円の総じてさえない動きにつながっている。
これまで円安とドル高の両輪で強さを示してきたドル円が、ここへきてドル堅調のみの片輪走行になっているようだ。
このような現象が打破されるパターンとして2つの可能性が考えられる。
ひとつはドル円の110円をしっかりとブレイクすることで、もう一つはドル買い安心感からリスク選好の動きにつながりキャリートレードが活性化されることである。
いずれもこのままの流れでは時間の問題であると予想されることから、クロス円は押し目買いのスタンスでいいだろう。
あとはどれくらい時間をかけるかだが“鉄は熱いうちに打て”ではないが、今週ドル円110円レベルが重いような展開となると、意外と時間を要すかもしれない。