今週、再び原油が30ドルを割り込んできている。安値は28ドル台まで下がってきたこともあり、依然として底値が見える気配がない。
どの世界にも適正な価格というのが存在し、高すぎるのも良くないが、安すぎるのもこれまた厄介な問題となってくる。
目先でいうと安いことで消費を促し、経済循環を良くするという面もあるが、それがはたしてコスト割れになっていないだろうかと考えておかなければならない。
モノを生産するときなどには必ず原価というものが存在する。簡単に言うと、その原価にその儲けとなる金額等を上乗せされて販売価格となるのだが、こと原油に関して現在はどうなっているのだろうか。一時150ドル近くあった原油価格はすでにピーク時の5分の1ほどまで下がっている。これで利益が上がっていればいいのだが、儲けが少なくなればそれだけ新規の設備投資をする余裕はなくなってくる。となれば、原油採掘設備の老朽化ということもありうる話なわけで、将来的な原油価格高止まりという長い目での懸念もそこに存在してくることも想定しておかなければならない。
現在の原油価格も複合的な要因が絡んでいることから単純に需給のバランスで判断できないところであるが、目先のことだけではなく長期的な目を養いながら目先の動きをとらえてくると意外な答えが出てくるかもしれない。そのためマーケットの情報に一喜一憂しないようにしたいところだ。