ドル円が100円を示現して以降、円安の流れが加速しているが、同時に改善を見せた米雇用統計を受けてドル高の流れが来ている。
それはユーロドルの動きでわかる。足元1.3000ドルを誇示する展開に終始していたが、先週金曜日の米雇用統計の発表以後、すんなりと下回り頭の重い展開となりドル高の流れが来ていることを証明している。
これを受けてもユーロ円をはじめ欧州クロス円は直近高値を更新しているが、オセアニアのクロス円は、頭が重く、G7受けた円売り安心感が台頭した週が明けても気迷い商状に支配されている。
昨年末以降マーケットのテーマであった「円売り」がここへきて、「ドル買い」に移行しつつあり、見極めを要する局面となってきた。
ドル円を見れば「円売り」イコール「ドル買い」なので大きな変化は予想できないが、他のクロス円にしてみれば、「円売り」とストレート通貨の「ドル買い」に挟まれ、これまでの堅調さを失いかねない。すでにオセアニアクロス円でみられている兆候が本格化するかどうかは、今週の米系、欧州系の指標に左右されそうだ。
注目すべきは、米小売売上高、米PPI(生産者物価指数)、ニューヨーク連銀製造業景気指数、米4月鉱工業生産、CPI(消費者物価指数)、フィラデルフィア連銀指数、新規失業保険申請件数、ミシガン大学消費者信頼感指数と今週目白押しとなっている。ことに新規失業保険申請件数は、リーマン・ショック前の2008年1月の水準まで低下しており、米国の雇用情勢を占う意味で、注目要因となる。新規失業保険申請件数が改善していた場合、米国連邦準備理事会(FRB)のタカ派による量的緩和第3弾(QE3)の縮小・停止発言が優勢となり、強いドル買い要因となる。
ドル買いが強まることによって、円売りが弱まり、中期的にクロス円の動向を左右しそうだ。
まずは、本日21:30発表の4月小売売上高に注目したい