19日未明に発表された注目のFOMCでは、それまでのマーケットの事前予想とはかなりの温度差があり、ある意味サプライズ的なものとなった。
発表前までは、850億ドルの資産購入額の減額幅がポイントとなっており、150億ドルとも50億ドルとも予想されていたが、発表では減額無しの現状維持となった。
声明文ではその理由を「縮小開始前にさらなる経済成長の証拠」を確認したいとされ、その後行われたバーナンキ議長の会見では「米国の経済成長は緩やか」とした上で「失業李、容認できる水準ではない」、「失業率6.5%へ低下するまで利上げしない可能性も」と雇用状況に再三にわたる懸念を表明している。
量的緩和縮小に対しては、「経済データ次第」とされ「年内に最初の対策講じる」と可能性に含みを待たしているが、市場では今回のFOMCで実行に移すと目されていただけに、ある意味サプライズ的となり大きくドル売りを誘った。
ドルは対円ばかりでなく対ユーロを含め全面安の状況となっているが、遅かれ早かれ量的緩和は解除の方向に向かっていることは間違いないため、一時的なものとも思われるが、米株価をはじめ期待感が強かったため、今回の「失望売り」ともいえるドル売りの流れがどこで止まるのかを見極める局面が続くだろう。
クロス円が堅調さを示していることにより、ドル円も下支えされる可能性もある。