先週、中国の景況感悪化懸念、信用バブル崩壊懸念を受けたリスク回避に加え、本邦では追加金融緩和策が期待される中、日本銀行金融政策決定会合で現状の金融政策の維持からくる失望感、米国の雇用統計、非農業部門雇用者数の急落などからくる景況感悪化懸念を受けて、FOMCでのテーパリング(量的緩和縮小)見送り観測が高まり、強い円買いの流れとなった。
今週は、28-29日のFOMCでのテーパリングの有無と31日に償還を迎える中国工商銀行の理財商品のデフォルト(債務不履行)リスクを見極める展開となる。
1月末で退任するバーナンキFRB議長にとっての最後のFOMCでは、米国12月の雇用統計の悪化にも関わらず、テーパリング100億ドルが予想されている。
予想通りに100億ドルのテーパリングが決定された場合は、ドル買い要因となり、先週のドル売りの動きが巻き返され円売り、見送られた場合は、ドル売り継続となりそうだ。
また中国情勢では、中国工商銀行会長が、31日に満期を迎える理財商品の償還について責任を負わないと表明したことで、デフォルト懸念が高まっているが、28日に中国工商銀行は、一定の責任を表明する模様で、その結末が注目されている。
31日満期の理財商品がデフォルトとなれば、中国の信用バブル崩壊の可能性が高まることになり、リスク回避の動きから円買いに大きく傾くことが予想される。
今週は、以上のように日本以外の動きで円の中期的な動きを左右する重要案件を2件控えており、その結果が注目される。これまでアベノミクスによる金融緩和政策による円売り、米国のテーパリングによるドル買いと両輪の動きで堅調となっていたドル円だが、ここへきて中国の材料も加わるばかりか、その両輪ともに怪しい動きとなってきている。
まずは今週のFOMC、中国の動向に着目したい。