市場では順調に続く米国のテーパリング(量的緩和縮小)を受けて、南ア、トルコなどで通貨防衛的な政策金利引き上げが相次ぐなど新興国通貨不安が高まっており、それに伴いリスク回避の円買い圧力が強まっている。
今週は、週末の米雇用統計に加え、米国の連邦債務上限の引き上げ期限が7日に迫っておりその動向に注目が集まる。
基本的にはマーケットが現在テーパリングを中心に過渡期にあることから、議会超党派による今年11月の議会中間選挙をまたぐ形で年末までの上限引き上げを認める形で収まることが予想されるが、、野党・共和党内の強硬派が、オバマ政権に対する歳出削減圧力を強める動きとなるとサプライズ的にドル売りとともにリスク回避の円買いの動きが強まるだろう。
また一方週末の米雇用統計では、失業率は6.7%(12月6.7%)、非農業部門雇用者数は前月比+18.0万人(12月+7.4万人)との事前予想となっているが、その結果とともに昨年12月の非農業部門雇用者数の改定値にも注目したい。速報値は、寒波の影響で前月比+7.4万人とサプライズ的に弱い数字となっていた。また順調に減少傾向にある失業率が、ボーダーラインと提示されている失業率6.5%に対してどのような位置関係となるのかにも注目したい。
ここもとの市場の流れは、ある種テーパリングを受けたドル高の動きに対する各国の防衛行動的な利上げなどから、マーケットが混乱状態にあるといえるが、どこかでこの動きは止まり、ドル円クロス円ともに反転に転じると予想される。ただし防衛的な利上げの影響は、不確定要素としては材料的にも大きいことからジックリと見極めることが肝要となる。
同じレベルで買い参入するにしても、慌てて拾いにいくよりも底を確認してから出遅れて買いに行く方が、極端にリスクは小さくなるということを肝に銘じておきたい。
今週の米国の連邦債務上限の引き上げや米雇用統計の結果が、そのきっかけとなりうるかに注目しよう。