マーケットでは新興国市場からの資本流出の動きで波乱含みとなっているが、もとはといえば、ある程度想定されていたことかもしない。
事の発端は米国の昨年12月からテーパリング(金融緩和解除)が本格化したことにある。これにより米国の金利先高観が台頭し、それまで低い金利のドルを売り、金利の高い新興国通貨を買ういわゆる「ドルキャリートレード」の動きが、大きく手じまいの方向に向かいだした。このことがここ元の新興国通貨からの資本量出につながっている。トルコ、南アなどがその流出を防ぐために利上げに踏み切ったわけだが、テーパリングの順調さからの金利先高観と米ドルの信用度からドルキャリートレード解除の動きは今後も進むと思われる。
そこで今後の動きの予想として「ドルキャリートレード」の減少分が「円キャリートレード」に移行していく可能性がある。もともと既に「円キャリートレード」は円金利の低さからある程度積みあがっていると思われるが、円金利上昇は程遠い現状からドルから円のスワップのお動きが出てきてもおかしくないだろう。
そのカギを握っているのが今週18-19日行われる日銀金融政策決定会合にある。そこで国内的には4月からの消費増税いむけての異次元の量的・質的金融緩和第2弾が期待されているが、対外的には、円・キャリートレードを通じて新興国通貨不安を緩和する役割が期待されている
今週末に行われるG20財務相・中央銀行総裁会議においても新興国市場の混乱への対応策が協議されるだろうが、その直前での日銀金融政策決定会合での結果が、ここ元のマーケット子乱を収束に向かわせる大きなカギを握っているといえよう。