四半期初めの月初だけあって重要指標が目白押しの状態だが、まずは日銀短観に注目したい。
ポイントの一つは、まず企業がアベノミクスな流れに乗って賃上げ機運が高まる中での大企業の状態だ。4月からの消費税増税による駆け込み需要で好状態が期待できる反面、その反動が4月以降に起きることは火を見るよりも明らかで、その反動を吸収でき得る数字が出るかに注目が集まる。次にポイントとなるのが、大企業と中小企業の温度差がどれほどになるのかだ。経済全体がアベノミクス効果で上向きになってはいるが、末端の中小企業まで浸透しているとはいいがたい。その大企業との温度差がどれほどのものなのか、さほどなければ好印象となり、経済の好循環が本格的になっていることを示すが、その結果がポイントとなる。
日銀短観の結果が思わしくなければ、これまでの円安推移では不足感があるということを露呈するが、デフレ脱却戦略による物価上昇傾向と消費税増税による物価上昇のダブルのインパクトがどこまで影響を及ぼしていくか今後の展開の注目ポイントとなるだろう。今後の展開で消費の落ち込みが激しいなど悪影響が大きければ円安圧力に歯止めがかかる展開が予想される。
逆に好結果となれば、円を取り巻くトレンドに変化がみられないことで、高位安定の展開が予想できる。
先月末でレパトリによる円買戻しの流れは払しょくされたが、この4半期のはじめの展開は、年度初めということもあり、どの四半期よりも重要度があるといえよう。
レパトリによって削られた円売りポジションの再投資の動向がカギとなりそうだ。