四半期明け早々に、複数の要因が重なってドル円が堅調さをあらわにしている。
日銀短観において大企業業況判断や先行き見通しが総じて事前予想を下回ったことや「企業の物価見通し」において企業の想定する1年後の物価見通しが、日銀の目標に届かなかったことなどから追加緩和の思惑が浮上、さらには、米国市場で、3月の米ISM製造業景況感指数が改善したことなどを受け、株高、ドル高の流れとなった流れを引き継ぎ、日経平均株価が堅調となっていること、4月入りでレパトリによる円買い圧力がなくなったこと、これらが複合的に作用し強い円安の流れとなっているようだ。
これらを受けて現在のバイアスが円売りに大きく傾いている中で週末に米雇用統計、週明けには日銀金融政策決定会合を迎えることになる。
米雇用統計では、失業率6.6%、非農業部門雇用者数19.0万人との事前予想となっているが、予想通りの結果でも現在のドル買い円売りのバイアスを考えると足元のトレンドを転換させるのは予想しづらい状況となっている。
日銀金融政策決定会合では、消費税増税の影響や日銀短観の結果を受けて追加緩和のスタンスを強めることが予想されており、そうなれば円安に拍車をかけることとなりそうだ。
4月のこの時期に為替市場が大きくトレンドを作り出す傾向にあることからも、ここからの基本的戦略はトレンドフォローのスタンスで臨みたい。