先週の米雇用統計では、失業率、非農業部門雇用者数ともに事前予想を下回るものとなったが(失業率6.7%=予想6.6%、非農業部門雇用者数19.2万人=予想20.0万人)、相次いで行われているテーパリングに影響を及ぼすほどでもないことから、ドル円、クロス円ともに底堅い推移となっている。
今週は、日銀金融政策決定会合が行われ、その結果が気になるところだが、4半期明け以降続いている円売りのバイアスを変えるだけの結果が出るとは予想しづらい。
例年この時期は四半期明け以降作られたトレンドを固める時期だけに、包括的なスタンスを変えることなく対処したい。
とはいえ突発的なサプライズ的な材料に備えてストップオーダーをプレイスしておいた方がよいだろう。
サプライズ的な材料として挙げられるのは、現在、欧米英とロシアとの対立が膠着状態となっているウクライナ情勢の変動、11日から行われるG20財務相・中央銀行総裁会議や米財務省半期為替報告書での円安牽制、中国でのデフォルト(債務不履行)懸念などが挙げられる。
新年度入りで本邦機関投資家による外貨建て資産への投資増額期待感や消費増税による景気減速を阻止するため、異次元の量的・質的金融緩和第2弾が期待されているなど見えている環境は円売り材料ばかりとなっているだけにサプライズ的な材料の噴出はことのほか大きい影響を与えかねない。
基本スタンスは円売りのままで続行も“好事魔多し”の展開には注意を忘れずに!