イエレンFRB議長が労働参加率の低下や長期失業率の高止まりなどの労働市場の低迷や低いインフレ率への懸念から、「高水準の金融緩和策」を継続すると議会証言したこと、日本銀行金融政策決定会合で現状の金融政策の維持が決定されたこと、ウクライナ情勢が緊迫の度合いを増したことから、ドル安・円高にややバイアスがかかっている。
5月25日のウクライナ大統領選挙に向けて、ウクライナ東南部へのロシア軍による軍事介入の可能性、内戦勃発の可能性が高まりつつある。大統領選挙で親欧米派が勝利した場合、ロシアは6月1日からの天然ガスの供給停止を警告、一方ではオバマ米政権が「OFAC規制」(海外向けに米ドル建ての送金を行う際の制限)を発動し、ロシアの国家及び金融機関の資産凍結を強行する可能性、これに対しロシアも米国債の売却警告しており予断を許せない状況が続いている。もし仮にロシアの米国債売却となれば金融市場への直接的影響となり、為替市場へも大きなドル売り要因と警戒すべきだろう。
また3月以降中期的にボックス圏を維持してきたユーロドルだが、先週のECB理事会でのドラギ総裁の口先介入ともいえるコメント以降、大きく下値を模索する展開に終始しているが、久しぶりにユーロの今後の展開がマーケット全体の台風の目ともなりかねず動向を見守りたい。注目すべきポイントは90日移動平均線の1.3740ドルのサポートを固持できるかどうかとなっている。