先週は、マレーシア航空機の撃墜などを中心にウクライナ情勢が緊迫の度合いを増しつつあることで地政学リスクの高まりから、円の地合いを悪化させる展開に終始していた。
今週も引き続き各地政学リスクの高まりに注意する展開となろう。想定されるケースとしては、ウクライナでの紛争が激化するケース、イラクが内戦に陥いるケース、パレスチナ紛争が激化するケースなどが想定されるが、いずれの場合もリスク回避の動きから円が買われる展開が予想される。
平時の場合は、日米の物価指標(22日-米消費者物価指数、25日-日コア消費者物価指数)並びに本邦の貿易収支(24日)の発表に着目したい。
米国の6月のコア消費者物価指数は、前年比+2.0%と予想されており、5月の前年比+2.0%から変わらずと見込まれている。米国のコアインフレ率の上げ渋りは、FOMCによる早期利上げ観測後退となることで、ドル売り要因となる。一方、日本の6月のコア消費者物価指数は、前年比+3.3%と予想されており、5月の前年比+3.4%からの低下が見込まれており、コアインフレ率の上げ渋りは、日本銀行による追加緩和観測を高めることになるため、円売り要因となる。
本邦貿易収支では、-6653億円と予想されており、5月の-9108億円からの減少が見込まれている。しかしながら、季節調整後の貿易赤字が1兆928億円と予想されており、原発稼動停止、原油価格上昇による日本の貿易赤字体質は変わらないため、円売り圧力が継続する。
月末のFOMCを前にしての地合いの継続や変化に細心の注意を払いたいところだが、基本路線のドル円・クロス円のロングスタンスは崩したくない。