米国が利上げに対して時間の問題とみられる中、ここへきて日米で円安の流れに対して逆風ともいえる論調が高まりつつある。
思い起こしてみれば2012年アベノミクスが株高を引き起こし、その動きが世界的に広まって米国が利上げにまでこぎつけた経緯がる。まさにアベノミクスの始まりの過程での円売りの流れがマーケットの台風の目となったといえよう。
安倍首相は決して今の世界的な現状を目的としてアベノミクスを推進したわけではなく、日本経済の長期不振からの脱却を目指してのことである。当の日本経済の現状はといえば、確かに底打ち感はあるものの、デフレ脱却はまだ道半ば、大企業と中小企業の二極化問題の吐出など経済の完全立ち直りとは程遠い現状となっている。
この段階での円安抑制の動きはどうかと思われる。確かに大企業と中小企業の二極化問題は円安の動きの弊害ともいえるが、本来の目的であるデフレ脱却が明確な解決への道筋が見えていない現段階では円安の動きをとどめることは、目的と手法の首尾一貫性を欠いていると言わざるを得ないだろう。
はたしてG20などでの日本当局の姿勢はいかに・・・・