先週22日に米議会上院において環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の交渉合意に不可欠な大統領貿易促進権限(TPA)法案を賛成多数で可決した。このあと焦点は下院の審議に移るが、任期が2年と短く、支持基盤の労働組合や地元産業の意向を気にする議員が多い下院で可決できるかは予断を許さない情勢となっている。
ブッシュ政権時のTPA法案は、2002年の最終採決で、両院で計7回の採決が行われ、法案提出から成立まで10カ月かかっている。
最近のドル高が米企業収益に影響し、景気回復の動きを鈍らせているという事情もあり、上院は否決された為替操作への対抗措置を盛り込む修正案が下院でも提出される見通しとなっている。
当然この修正案の動向がマーケットに大きく左右することはあえて言うまでもないだろう。
同法案の結末次第では、中長期にわたって続いているドル高推移の展開、ここ最近のその修正の動きに大きな波乱を呼ぶ可能性を秘めている要因といえよう。