先週、黒田日銀総裁が124円台で円安牽制発言をしたことで、125円が当面の円安の限界「黒田シーリング」の可能性が警戒されている。ドル円が125円を再び上回る局面を迎えた場合、安倍政権からの円安牽制に警戒することになる。
ただし、過去の例から行くと、こういった口先介入では一時的反転はするものの、大きな流れを変えることはないだろう。
口先介入ではなく実弾を打ち込む介入を行ったとしても、その時点の値幅は大きいもののトレンドを反転させることはないだろう。ましてやデフレ脱却を第一の目標に掲げている実情にある日銀が円買い介入を実施することは、政策的に矛盾を生じさせ、ありえないことと想定される。
当局も米国が年内利上げを確実視されていることで、さらなるドル買い円売りは当然想定しており、実際に利上げに転じた際の過剰な反応を避けることや上昇波動のテンポを鈍らせることを目的とした“口先介入”だろう。
しかし、月初の米雇用統計が好調だったことやFOMCを目前に控えたこのタイミングでの黒田発言から想定すると、今回のFOMCでの利上げ転換が、まさしく現実味を帯びてきたと感じざるを得ない。はたして結果はいかに・・・18日木曜日未明3時の結果に注目したい。