先月末のFOMCや日銀金融政策決定会合といった重要指標発表、特に日銀の発表には市場が失望し急速な円高が進行した。
とはいえ前回のブログでも触れたように、一部報道による期待値から円安が進行していたわけで、報道通りにはならなかったことによる失望売りはよくある話ではあるため、梯子を外されただけともいえるだろう。ただ、その分インパクトという観点からは影響力があったことは間違いないだろう。
5月に入るとドル円は105円台をつけたもののある程度の行き過ぎ感もあったのか少しずつ円安方向へ戻りつつある。ただこれで底打ったと判断するのは早計だ。
現時点では為替介入の話や原油高からのリスク選好など底堅さも見えるが、上値の重たさもあり伊勢志摩サミットが終わるまでは105円~110円のレンジからは抜けにくいのではないだろうか。
再三指摘しているが、為替介入はしづらいことだけは間違いない。これはどの期間を切りとるかで各国の考え方が変わってくる。
確かに現在のドル円をみると、円安ピークの125円から約20円の動きとなっているからという話になるが、アベノミクスにおいて円高ピークの75円台からは約50円の動きがあり、この時はドル売り介入はなかった、というよりその話も出ていなかったが、逆の立場からすると約50円の動きを静観したのに約20円ではまだ早いといわれても仕方ないともいえる。
もちろん過去を振り返ればまだまだあるが、どの視点、どの立場で見るかによって物事はがらっと印象が変わるということだ。
実際に介入があるかどうかは正直わからないが、G7を含めた各国の理解が水面下で得られたときには躊躇なく実行してくるだろう。
年に1回もあるかどうかわからないことに気を取られすぎてもよくないが、博打ではないので目先の情報に右往左往させられるのではなく、現時点で市場がどのことに注視しているかを見極める目を養っていく方が賢いやり方だとは思うが、各々の投資スタイルにあった考え方を持つべきだろう。