日に日に緊張を高めている北朝鮮ミサイル問題だが、国際世論を味方につけ米国との対話路線に持っていくため発射を取りやめるのではないか?との説が有力だと思われるが、実際に日本も韓国、グアムとともにターゲットと考慮されている以上、不安がよぎるが、日本国内は不思議と緊張感のない平素と変わらない。平和ボケしているのか、関係当局に絶対的信頼を置くしか、なすすべはないのは事実だが、もう少し緊張感があってもよいと思うのは私だけだろうか?
実際に核弾頭の設備されたミサイルが日本に着弾したら為替取引どころではなくなるが、今後のケースを想定しておきたい。
まず実際にミサイルが発射された場合、迎撃ミサイルで本土着弾は回避されると思うが、北朝鮮は世界舞台から孤立し、ある程度問題の深刻化と長期化から、米ドルが買われる展開となろう。同時に日本直撃でない場合でも地政学リスクの高まりから円売りも起こるかもしれない。その場合、「有事のドル買い」とあいまってドル円はレベルを大きく変えるような上昇を演じる可能性がある。
次にミサイル発射を北朝鮮が自発的に回避した場合、すぐにとは言わないが北朝鮮とアメリカが対話路線に入っていくと思われることから、逐一その状況を見極めなければいけない。アメリカサイドとして避けなければいけないのは、北朝鮮を核保有国と認め、かつその核が中東に流れることである。そのような経路をたどる場合は、大きくドル売りに傾くだろう。
また次元の違う話として、永世中立国であるスイスフランや地政学的にも無関係な豪ドルなどは、この問題の進捗に関わらず地合いを強めることだろう。
いずれにしてもこの問題が明らかになるまでは、ポジション量を控えめにしたほうがよさそうだ。