19日未明にイエレン新FRB議長体制でのFOMCが発表されたが、イエレン新議長は非常にバランス感覚に優れた人物という印象を受けた。
今回のFOMCでは、これまで通り順調に100億ドルのテーパリングが決定されたが、先読みする傾向にあるマーケットでは、テーパリング終了即利上げという雰囲気が蔓延している。事実ドル買いの背景にあるのはそこだろう。しかし、そこが過熱するとマーケットの動きも過熱感を帯びることによって、利上げ→株式市場から金利市場への移行→株価の低迷→労働市場への負の影響の図式へと移行しかねず、最大の配慮している労働市場への悪影響はまぬかれない。
実際、今回のFOMC直後のマーケットの動きでは、米ドルが対ユーロ、対円などで幅広く買われる一方で、米株式市場は大きく値を崩している。
そこでイエレン議長は「緩和的な政策の必要性、再表明」、「金利正常化緩やかなとなる」、「QE終了から利上げまでは相当な期間を想定」と過剰なマーケットの動きに配慮し、ブレーキをかけるコメントを出している。
このコメントを受けて株式市場が下げ止まる結果に結びついた。
まさに見事なタイミングのコメント内容といえることから、切れ者というイメージを残したイエレン氏のデビューといえよう。歴史に名を残すFRB議長になるかもしれない。
今後、今回のイエレンインパクトからくるドル買い安心感が根底的に作用してくると予想される。
但し、
直後の記者会見で、量的緩和策終了後、「半年程度」で利上げする可能性に言及するなど、チグハグな一面も見せており、まだまだ実を見極める必要はあるだろう。