5月中のマーケットは、ウクライナ大統領選やテクニカルな動向に焦点があったが、ここへきて今週末の米雇用統計、17-18日のFOMCなど米国の動向へと焦点が移ってきそうだ。
5月の最終営業日で米DOWジョーンズ株価が年初来高値近辺まで上昇してきていることで、否が応でも米国の動向に注視せざるを得なくなってきている。先んじてS&P500は年初来高値を更新しているが、NASDAQは堅調ながらも直近高値とは距離感を残し、米株価の動向は総じてまちまちとなっている。米基幹産業株中心のDOWジョーンズが年初来高値を更新するような展開となれば、米ドルを取り巻く雰囲気も一変する。
対円、対ユーロ等、総じて方向感を失いつつある米ドルだが、ドル円の日柄だけ見ればそろそろ大きな波動が発生してもおかしくはない。昨年5月に103.30の高値を付け、そのご三角持合いを形成。半年後の11月に三角持合いを上方にブレイク。年末に105.45の高値を付け、それ以降100円台を維持しながらも狭いレンジでの推移となっている。直近波動が半年周期でレンジを移していることから、この6月は大きな動きがありそうだ。
材料的には、米雇用統計、FOMCにおいてテーパリングの状況次第だが、長期的には米国は利上げの過程にあることからバイアスの変化は予想しづらい。ネガティブな内容であったとしても下値を確認する程度であろう。一方、本邦では安倍政権の成長戦略第二弾や、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による外貨建て資産への投資増額がこの6月に見込まれている。
以上のことからこの6月にドル円が新たなるレンジに移行すると予想するが、問題は、1998年からの長期レジスタンスラインが105円どころを走っており、そこが分水嶺となってくるだろう。