先週末に発表された米雇用統計であるが、 非農業部門雇用者数では市場の事前予想を上回る前月比24.2万人増、失業率は前月と変わらず4.9%となるなど強いドルの材料がそろったが、平均時給が伸び悩んだこともありドル円は結果的には往来相場の様相だった。
決め手になりそうな強い材料の割にはドル買いが長続きせず、逆に上値の重たさを印象付けている。もちろん米国の利上げペース観測が後退していることも背景にあるとも思われるが、正直なところ後付けの材料にしかならず、決め手を欠く展開となった。
今週はECBの理事会も控えている。良い意味でも悪い意味でもドラギマジックが炸裂しており、市場参加者があまりに振り回されすぎ、ユーロは独自の動きをしていたが、このところはようやく元の動きに戻りつつある。さすがにサプライズはないとは思うが、昨今の株、為替、商品等の動向をみると常に警戒しておくべきことであろう。