21日のFOMCで懸念されていた月額850億ドルのMBSと国債の資産購入(QE3)の減額は据え置きとなり、平穏に終了したが、失業率の見通しを7.3-7.5%と下方修正するなど、若干ドルに支援的な材料となった。
FOMCでもバーナンキFRB議長が「キプロスには多くの不確実性がある」、「キプロスの動向を注意深く監視する」などコメントしており、米国当局でも経済上、キプロスの問題は大きいことを位置づけている。
キプロスといえば預金封鎖などが話題として上がっていたが、実際ロシアマネーが大量に入り込んでいるらしく、世界的な規模の問題として注目を集めている。
余談になるが過去日本でも第二次大戦後、預金封鎖が行なわれていたのをご存じだろうか?日本政府の負債を帳消しにすること、戦後復興計画を遂行するための予算の捻出、戦争の遂行の過程で富を蓄積した財閥に対して所得格差の是正などの3つのお題目で預金封鎖、預金税の徴収が行われた。当時の日本の私有財産の約9%を没収するというこの預金封鎖の試みは、当初の概算額とほぼ同等の成果を挙げ、世界でも稀に見る成功例となり、今日においても他に預金封鎖の成功例はない。過去において行われたとはいえ、日本でもこのような負の歴史ともいえる過去があったことは、もう少しキプロスの問題を機にクローズアップされてもよいと思うのだが・・・・・